酔っ払った勢いで子どもを授かりました。って、相手は誰?
* * *
リュミエール伯爵領に戻ったエリサリナを待っていたのは、母と義姉による立派な淑女になるための教育だった。つまり社交の場で、意中の殿方を振り向かせるための振る舞い方や、社交界を生き延びる話術など。もちろん、今までそういった縁とほど遠かったエリサリナにとっては、騎士団での訓練よりも血反吐が出るような気持ちで授業を受けていた。
夜会や茶会の誘いを受けた母や義姉は、ここぞとばかりにエリサリナを連れ出す。華やかな場に馴染みのないエリサリナにとって、話を聞いては相づちを打つくらいしかできない。
異性からダンスに誘われたら踊りなさいと、母からきつく言われているものの、そもそもエリサリナに声をかけるような異性は、うんと年上の男性か見るからに不誠実そうな男性くらいしかいない。つまり、家族が望むような「適齢期で家柄の良い独身貴族」は、まるで現れない。
恐らくエリサリナの年齢と肩書きが原因だろう。行き遅れの一歩手前の状況。さらに、王国騎士団の元女性騎士。騎士団に所属していたときはさほど気にならなかったが、やはり華やかな社交の場となれば、元騎士という肩書きは「守るべき者」の対象から外れるようだ。どちらかといえば「守ってくれる者」。いや、国と通じている者だったからこそ、下手をすれば自分に「害をなす者」と考えている人も多いらしい。
リュミエール伯爵領に戻ったエリサリナを待っていたのは、母と義姉による立派な淑女になるための教育だった。つまり社交の場で、意中の殿方を振り向かせるための振る舞い方や、社交界を生き延びる話術など。もちろん、今までそういった縁とほど遠かったエリサリナにとっては、騎士団での訓練よりも血反吐が出るような気持ちで授業を受けていた。
夜会や茶会の誘いを受けた母や義姉は、ここぞとばかりにエリサリナを連れ出す。華やかな場に馴染みのないエリサリナにとって、話を聞いては相づちを打つくらいしかできない。
異性からダンスに誘われたら踊りなさいと、母からきつく言われているものの、そもそもエリサリナに声をかけるような異性は、うんと年上の男性か見るからに不誠実そうな男性くらいしかいない。つまり、家族が望むような「適齢期で家柄の良い独身貴族」は、まるで現れない。
恐らくエリサリナの年齢と肩書きが原因だろう。行き遅れの一歩手前の状況。さらに、王国騎士団の元女性騎士。騎士団に所属していたときはさほど気にならなかったが、やはり華やかな社交の場となれば、元騎士という肩書きは「守るべき者」の対象から外れるようだ。どちらかといえば「守ってくれる者」。いや、国と通じている者だったからこそ、下手をすれば自分に「害をなす者」と考えている人も多いらしい。