女神イリオネスと、九ヶ月の飴玉
「……何をされているのですか?」

 イリオネスが、アフディーと召喚獣たちの間に、『ぬっと』顔を割り込ませると、全員が驚きバネが跳ねるように立ち上がりました。

『うさぎと、カタツムリ』は目を丸くし、『青い鳥』は口から泡を拭き倒れます。

 アフディーは、言い訳するように言葉を返していました。

「イッ、イリオネス。い、い、いつからそこにいたのよ!」

 イリオネスは『キョトン』とした表情で答えます。

「いつからって……つい今さっきですけれど」

 答えながらも、イリオネスの視線はアフディーが隠そうとした「それ」に釘付けになりました。

 アフディーの手にあるのは、眩い光を放つ『銀の矢の羽』でした。
 それは月の願いから生まれたとされる、この天界でも極めて珍しい至宝。

 本来、月を司るアルテロスしか手にすることを許されないはずの、貴重な品でした。
 アフディーの影から覗き出るその姿は、隠しようのないほど、キラキラと輝いています。

(なんのために、アフディーが持っているのかわかりませんが、実の姉妹だからこそ、この貴重な物を手にすることが……)

 イリオネスの心に、先ほどのアルテロスの「険しい表情」がよぎりました。

 二人の間に、自分の知らない「繋がり」があることを突きつけられた瞬間です。
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