アイドル&執事な天使と悪魔の事件かいけつ日記☆

2*アイドル執事

 次の日の朝。

「衣装が、完成しました!!」

 まだ夢の世界にいた時、突然あんじゅの元気な声が聞こえてきた。ベッドの上に座り、まだ薄くしか開かない目をこする。

「何? まだ眠いよ」
「ふたりとも、今から隣の部屋に来て!」

 僕はあんじゅに引っ張られる。すでに起きていたるいも一緒に隣の部屋に向かう。そして隣の部屋のドアを開けると――。

「わっ! 何これ」

 僕は驚いた。

 目の前に、キラキラ輝く白と黒の執事衣装がハンガーに掛けられていた。

「夜中ね、私たちが作ったの」
「私たち? おじいさんとあんじゅ?」
「違うよ、おじいさんじゃなくて……お化……あっ、なんでもない」

 お化けって言おうとした……? したよね?
 いや、でもお化けが衣装を作るわけはないか。昨日のるいの話といい、実はお化けの話は本当に苦手。だって、小さい頃におばけに驚かされたことがあったから。でも怖がると、天使のくせにってあんじゅにも思われそうだから、そっと怖い気持ちを胸の奥に隠した。

 るいはおばけの話なんて全く気にせずに衣装の形、肌触りなどを丁寧にチェックしていた。

「これ、誰が着るの?」

 僕は首を傾げる。

「もちろん、ふたりが着るの!」
「僕たちが?」
「早く着てみて!」

 執事の服をふたりで着てどうするのだろう。
 着ようかな、どうしよう、迷う。

 るいの様子をちらっと確認してみた。るいはクールな雰囲気でいつもと変わらない様子……というか、もう着替えている。そして今、白い手袋をはめていた。

 凛とした雰囲気、クールな顔立ち、黒い執事の衣装がとても似合っている!!! まさにるいのために作られた衣装。
 
 圧力とまではいかないけれど、なんだか着替えた方が良いのかなって雰囲気になってきたから、僕も着替えた。

 全身鏡で自分の姿を確認してみる。僕は白い執事の衣装だ。
 正直、とても似合う。ちょっと気になるところといえば、衣装から思い切り背中の羽が飛び出していることかな。これからしばらく人間としてここに住まなければならない。人間の背中には羽はないよね。

るいも、ひとつひとつがスラッとしてカッコ良い黒い羽が衣装から飛び出ているなぁ。

 どれどれ……。

 僕はるいの羽を衣装の中に収めようとした。
「るいの羽、すごく手入れされているな。悔しいけれど僕の羽よりもサラサラだ」
「ゆうが羽の手入れをしなさすぎなだけだ」
「なんだって?」

 僕たちの喧嘩がまた始まりそうになった時「ちょっと待って、羽はそのままで!!」と、あんじゅは言った。

「えっ、なんで?」
「今日からふたりは天使と悪魔の執事アイドルだから」

 羽を出したままにしてだとか、僕とるいが天使と悪魔の執事だとか……あんじゅは何を言っているのだろう。
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

イケメン俳優パパ『生田 蓮』に恋をして――。

総文字数/29,226

恋愛(純愛)47ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
イケメン俳優 生田蓮(いくたれん)34歳 × スーパーのパート 江川葵(えがわあおい)29歳 妊娠中に不倫され、その後、離婚した葵は 娘の柚希(ゆずき)と同じ保育園で同じクラスの斗和(とわ)ちゃんのパパ、生田蓮と親しくなっていく。 でも彼は人気イケメン俳優で、身分の差を感じてしまい――。 🌸子育てと恋愛、ほのぼのストーリー🌸 ベリーズカフェさん 総合ランキング40位 ありがとうございます 連載 2022,10,21~2022,10,29
君のためのウエディングドレス

総文字数/7,353

恋愛(純愛)16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「ウエディングドレス、可愛い。着てみたいな」  少女漫画を読みながら呟く優衣花(ういか)は自分の気持ちを人に話すのが苦手。 そんな彼女が言ったその言葉。 ――願いを叶えたい。 ずっと優衣花のことが好きだった桃李。 彼がとったサプライズは……。 高校2年生のふたり ピュアキュンストーリー♥️ o,+:。☆.*・+。 野いちごさん ピックアップチャレンジ 『ジューンブライド』で 選んでいただきました。 ありがとうございます! 2023*5*17~ 2023*5*19完結
演歌界のイケオジ『神月京介』の恋心

総文字数/10,502

恋愛(純愛)21ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
演歌界の柱石と呼ばれる 神月 京介(こうづききょうすけ)48歳は 優しいスパダリなイケオジ。 葉月由良が高校生の時 彼は近くに住んでいた。 けれど人気が出て忙しくなり 彼は都会に住むことになって それから疎遠になる。 当時可愛がってくれていた京介に 由良は憧れ、恋心も抱いていた。 今もふと昔を思い出す日々。 ある日、スキーに行った時に 山の小さなペンションで彼と再会した。 しかも吹雪で閉じ込められ――。 ピュアラブ年の差ストーリー ------i-----✩.*˚----ke---☆-----o--✩.*˚---ji------ ベリーズカフェさん 恋愛短編ランキング 47位 ありがとうございます✨ 2024*1*2 オススメ掲載いただきました✨ 着物の似合う人、素敵です。 この物語はフィクションです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop