配信終了後、幼馴染実況者の本性が悪すぎる
そのあと。
私は不思議と凪の前だけ素が出せた。

多分、凪が思ったことを、はっきり態度にも言葉にも出すタイプだったからだ。

顔色を伺わなくたって、凪は本音がそのまま前に出る。

凪がズバズバ言うほど、
私も考えるより先に感情に任せて言葉を出せた。

そして、関わっていくうちにわかったのは――

凪は、ぶっきらぼうなだけで、
実は行動は優しいこと。

案外、懐も大きくて、
ちょっとやそっとのことで、
相手を嫌ったりしないこと。

そんな凪の隣は気兼ねなくて、
なんでも言い合えるこの関係が
どうしようもなく心地よくて、安心出来た。

――けれど。

中学に上がった頃。
その凪の“思ったことをすぐ言ってしまう性格”がキッカケで、事件は起きた。

***

同じクラスに気が弱い男の子がいた。

その子はクラスのリーダー格の男の子に目をつけられていて、いじめられていた。

けれど、みんなその主犯格の子が怖くて、
見てみぬフリ。
私も……その中のひとりだった。

そんな中、

「くだらねぇことしてんじゃねーよ」

凪だけが、その子を庇った。

凪は、その少し荒っぽい口調や態度から、
どこか逆らえない空気を纏っていた。

だから、その凪に言われて、いじめは止んだ。

――と、思っていた。

けれど、凪の見てない所で
その子へのいじめは続いていたらしい。

その後、その事実を知った凪は、
主犯格の子と殴り合いの喧嘩をして、
そのことが大事になった。

先生達が集まって、凪達を引き剥がす。
その周りにはたくさんの生徒がいた。

そんな中。
みんなの前で凪は、そのいじめられていた子にも、その時、思ったことを言った。いつものように。

「お前も、助け求めるなり抵抗するなりしろよ。やられっぱなしで悔しくねぇの?」

それは、凪がその子のことを思って言った言葉だったと思う。

けれど――その子は、泣きそうな顔で凪に言った。

「みんなが……早瀬くんみたいになれる訳じゃない……」

「は……?」

「何で、みんなの前でそんなこと言うんだよ……っ」

「……」

「……今、早瀬くんが、僕をみじめにさせてること、わかんない?」

「……っ」

凪は言葉を失ったように、何も言い返さなかった。

けど、私は、
その時の凪の表情が、今でも頭から離れない。

それは、相手を傷つけてしまったことへの苦しさを、必死で押し殺したみたいな――そんな表情だった。

そして、ほどなくして、そのいじめられていた男の子は転校して行った。

けれど、事件はそれだけでは終わらなかった。

瞬く間に、喧嘩騒動が学校中に広まったのだ。

凪はその男の子を庇っただけなのに、
みんなの前で、男の子に向けて言い放った凪の言葉が悪いように広まった。

そのせいで、なぜか、凪までその子をいじめていたように噂が広がっていった。

それから数日後。

凪は――学校に来なくなった。

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