ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「随分と帰ってこないから心配しちゃった。元気そうでよかったわ」

土曜日の夜、久しぶりに実家に戻ってきた私に、母は安堵の言葉を漏らしながらダイニングテーブルに鍋を運んできた。

今日は豪華なすき焼きだ。私の帰省をよっぽど喜んでくれているのだろう。

「これまでがおかしかったんだ。私はむしろ安心した」

そう漏らしたのは、すでにダイニングチェアに座っている父だ。

「父さんは毎日会っているからいいでしょうけれど」と母がもっともなことを言って席に着く。

「ようやく新婚生活に慣れたのか?」

「まあ、そんなところだよ。最近は資格の勉強も再開したし、ちょっと忙しくて」

「もしかして、不動産鑑定士の資格か? いい、いい、あんなのは取らなくて。資格がなくても仕事は充分務まる。今はそれより、新婚生活を楽しみなさい」

あんなの、とは失礼な。

だが、私と康惺さんの夫婦仲を心配する父の気持ちはよくわかる。

仕事や勉強より、まずは自分の幸せを大事にしなさい、と言いたいのだろう。

「大丈夫。康惺さんも忙しいし、私もなにかに取り組んでいるくらいの方がちょうどいいの」

それに、と私は付け加える。

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