ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「……康惺さんが、教えてくれるの。資格の勉強の、ちょっと難しいところとか」

気恥ずかしくて、お椀の卵を入念に溶きながら説明する。

ふと沈黙が落ちて、あれ?と不思議に思い顔を上げると、椅子に座る父と母の顔がふにゃっと緩んでいた。

「面倒見のいい方なのね、康惺さんって」

「あの舘華家の長男だけあって、しっかりした方なんだよ。ほら、歳の差はあるが大丈夫だっただろう?」

「本当に。惺也さんが挨拶に来てくださったときには、八歳上って聞いただけでも心配したのに、今度は十六歳も上の方に嫁ぐって言うでしょう? 心配で心配で、何度やめなさいと言おうとしたことか」

頬を押さえる母。父はなぜか「だから大丈夫だって言ったじゃないか」と誇らしげだ。

……一概に大丈夫だったとは言いがたいけれど。

偽装結婚から始まり、別居を経て、子作りのために試行錯誤した末に今がある、とはとても口に出せない。

「何度か酒を酌み交わして感じたが、なかなかにできた男だ。涼羽を任せて心配ないと、今は感じているよ」

突然切り出された父の言葉に、私は思わず「へ?」と素っ頓狂な声をあげた。

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