ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
初耳なのだけれど。康惺さんと父は、いったいいつ酒を酌み交わすような仲になったの?
「聞いていないのか?」
その言葉に大きく頷くと、父は「そりゃあ、言って悪いことをしたかなあ」と申し訳なさそうに顎を撫でた。
「結婚が決まってから一度。涼羽が康惺殿と暮らし始めてしばらくしてから一度。それから、視察があっただろう? あのあとにも一緒に食事をした。てっきり知っているものだと思っていたんだが」
「それにしたって、どうして会社で一度もその話題が出なかったの? 提携先の専務と食事って言ったら、予定に組み込まれるでしょう? 秘書の私が知らないはずないのに」
「業務外でと念を押されていたからな。私が康惺殿と懇意にしていることが知られれば、提携は確実だと甘えるものが出てくる。私としてもそれは望まない。業務の改善には真剣に取り組んでほしいからな」
なるほど、と納得する。康惺さんも父も、茂木野不動産の役員たちに気を抜いてほしくなかったのだ。
「……それで、康惺さんとはどんな話をしたの?」
「聞いていないのか?」
その言葉に大きく頷くと、父は「そりゃあ、言って悪いことをしたかなあ」と申し訳なさそうに顎を撫でた。
「結婚が決まってから一度。涼羽が康惺殿と暮らし始めてしばらくしてから一度。それから、視察があっただろう? あのあとにも一緒に食事をした。てっきり知っているものだと思っていたんだが」
「それにしたって、どうして会社で一度もその話題が出なかったの? 提携先の専務と食事って言ったら、予定に組み込まれるでしょう? 秘書の私が知らないはずないのに」
「業務外でと念を押されていたからな。私が康惺殿と懇意にしていることが知られれば、提携は確実だと甘えるものが出てくる。私としてもそれは望まない。業務の改善には真剣に取り組んでほしいからな」
なるほど、と納得する。康惺さんも父も、茂木野不動産の役員たちに気を抜いてほしくなかったのだ。
「……それで、康惺さんとはどんな話をしたの?」