ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「どうして俺が、楽しくもない接待に行ってきたのかを説明している」

驚いて背後の彼を見上げると、そこにはいつも通りの不敵な笑みがあって、ほんの少し気持ちが落ち着いた。

彼が私と向き合おうとしていることが伝わってきたから。

「メリット二、腹が探れる。ぶっちゃけ、相手が契約にどれくらい乗り気なのか、決定権を持っているのは相手の企業のどの役職の誰なのか、攻略方法を探るにはこれ以上ない。酒や女が間に入れば、口も軽くなるからな。もちろん自分が軽くなるのはNGだ。呑まれるやつはカモにされる。というか、そういうやつをカモにするための作戦なんだが」

「……つまり、商談の延長線上だと?」

「そういうこと。そもそも涼羽が想像しているような接待じゃない。俺たちが使うのはキャバクラじゃなくて高級クラブだ」

なにを言ったわけでもないのに、彼は私の考えを見抜いているらしい。勝手にいかがわしい想像をして、不機嫌になっていることも。

仕方なく、黙って彼の話に耳を傾ける。

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