ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「メリット三、そこで働く彼女たちは場の空気を作り上げるプロだ。客の上下関係を即座に把握し、交流や商談を進めやすいよう取り計らってくれる。上の人間を持ち上げ、退屈しないよう話を振って盛り上げ、誰かが粗相をやらかせばさりげなく逃げ道を作ってくれる。力を借りれば、交渉を優位に勧められる」

「で、でも……さっき『イれて』って」

「ボトルを『入れて』ほしかったんだそうだ。次の来店に繋げたいんだろう。といっても、高級クラブは普通、そんな露骨なねだり方はしないんだが。あの女性は、今頃オーナーに叱られてるだろ」

なるほど、と妙に納得した。康惺さんにまた来てほしいと願う女性はたくさんいるだろう。

妻である私が言うのもなんだが、こんなにも肩書きとルックスが揃っている男性はほかにいないもの。売上が見込めるのはもちろん、個人的にお近づきになりたいって女性もきっと多い。

そのスタッフさんが『ボトルを入れてほしい』と躍起になる理由もよくわかる。

「たまに女性を持ち帰れとか、ホテルを勧めてくるような商談相手もいるけどな。本物の経営者は誘いに乗らない。弱みを握られるようなものだからな」

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