ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
妊活じゃないのに彼とベッドをともにする必要はあるのだろうか?

それでも私の足が自然と寝室に向かったのは、理屈で説明できない欲求がこの身に宿っていたからかもしれない。



シャワーを浴び終えると、彼の肌からあの甘ったるい香りがすっかり消えていた。

代わりにソープがふわりと香り立ち、よくよく嗅げばその奥に、肌に染みついた煙草の苦みが感じられる。

「服はもういらないな」

そう言って私の寝間着を手早く脱がせ、自身のボトムスを脱ぐ。

彼はこの部屋に来た時点ですでに上裸で、「どうせすぐ脱ぐのに着るのは時間の無駄だろう?」と開き直った顔でベッドに上がり込んできた。

まあ、全裸じゃなかっただけマシかもしれない。

ベッドに転がされ、のしかかる彼が笑みをたたえたまま首を傾げる。

「なにを遠慮してる? 触りたいんだろう?」

私がどこかおっかなびっくりしていることに気づいたのだろう。

今日はいつもと違うことだらけで、どうしたらいいのかわからない。

康惺さんと、楽しむだけのセックスをする。

楽しむって、どうしたらいいんだろう?

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