ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
この部屋が五十室備えられていて、年に数回しか使わないなんてもったいない。宿泊施設にでもしてお金を取っちゃえばいいのに……なんて考えてしまう私は典型的な庶民なのだろう。

さっそく私たちはドレスに着替えて夜のパーティーに備える。

彼は光沢のあるグレーのタキシードを着ている。先の尖ったピークドラペルというタイプの襟で、シンプルなスーツとはまた違った遊び心と高級感がある。

そして私は、スカートが床に届きそうなロングドレス。色はダスティローズで、ダイヤとパールがあしらわれたネックレスとイヤリングをつけている。デコルテは大きく露出していて、かなり大胆な装いだ。

「着飾りすぎじゃありませんか?」

ドレッサーの前でパーティーメイクを盛りながら、彼に尋ねる。ちょっとしたパーティーってレベルの飾り方じゃない。結婚式の新郎新婦レベルだ。

「これくらいでちょうどいい」

彼は迷いなく答える。信じがたいが、妻に恥をかかせるようなアドバイスをするはずがないので、大人しく彼を信じることにする。

「さっそく面倒になってきただろう?」

私のうしろに立ち、一緒に鏡を覗き込みながら尋ねてくる。

< 118 / 257 >

この作品をシェア

pagetop