ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
この豪邸は自分のためではなく、ゲストをもてなすために作られたもの。自分に余計な金は使わず、他人をもてなすために使う、そんなサービス精神が見て取れた。

「それにしても、康惺くんがとうとう身を固めるとは」

会長にまでその話題を切り出される。

康惺さんが長い間、結婚を拒んでいたことは、日本トップクラスの実業家の耳にまで聞き及んでいたらしい。彼ってとんでもないな、そんな変な感心をしていると。

「その節は大変失礼いたしました」

康惺さんが真摯に頭を下げたので、なんの粗相をしたのだろうと動揺する。

「いや、あれは仕方がない。うちの娘は君より十五も年上だ。それをあてがおうとするなんて、私がいささか厚かましかったよ」

あてがうってまさか――と康惺さんを覗き見る。

もしかして会長の娘さんとも縁談の話があったの?

途端に居心地が悪くなる。私はここに来てよかったのだろうか。会長との関係が悪くなってしまうんじゃ?

そんな心配をよそに、会長は深く息をついて和やかに笑う。

「娘は相変わらず海外を飛び回って好きに暮らしている。売れ残ってしまったがな」

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