ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「売れ残りだなんておっしゃらないでください。私はそんなつもりでお断りしたわけではないのです」
康惺さんが私の腰に手を回す。不意に顔をあげると、困ったように笑う素の彼がいた。
「すべての縁談をお断りしていました。この歳になるまで、ずっと結婚するつもりがなかったのです。……彼女に出会うまでは」
腰に回った手にきゅっと力がこもる。
その言葉は会長に対する弁解なのだろうか。それとも――。
「よい伴侶と巡り会えたことを、心から祝福するよ」
会長は棘のない口調でそう告げ、静かに頷く。
「それにしても若々しいのに気品があって美しい方だ。康惺くんとよく似合っている」
康惺さんは謙遜するかと思いきや、「そうでしょう」と誇らしげだ。
私は「もったいないお言葉です」と会釈をする。
「どうだ、ふたりでダンスでも一曲踊ってみては。会場がとても華やぐと思うんだが」
唐突な申し入れに、笑顔のまま凍りつく。応えたいのはやまやまだが、ダンスなんて踊れるわけがない。
さすがに康惺さんも驚いたような顔をしている。どうかわしてくれるだろう、返答を期待していると。
「せっかくだから踊ってみるか?」
康惺さんが私の腰に手を回す。不意に顔をあげると、困ったように笑う素の彼がいた。
「すべての縁談をお断りしていました。この歳になるまで、ずっと結婚するつもりがなかったのです。……彼女に出会うまでは」
腰に回った手にきゅっと力がこもる。
その言葉は会長に対する弁解なのだろうか。それとも――。
「よい伴侶と巡り会えたことを、心から祝福するよ」
会長は棘のない口調でそう告げ、静かに頷く。
「それにしても若々しいのに気品があって美しい方だ。康惺くんとよく似合っている」
康惺さんは謙遜するかと思いきや、「そうでしょう」と誇らしげだ。
私は「もったいないお言葉です」と会釈をする。
「どうだ、ふたりでダンスでも一曲踊ってみては。会場がとても華やぐと思うんだが」
唐突な申し入れに、笑顔のまま凍りつく。応えたいのはやまやまだが、ダンスなんて踊れるわけがない。
さすがに康惺さんも驚いたような顔をしている。どうかわしてくれるだろう、返答を期待していると。
「せっかくだから踊ってみるか?」