ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
彼が私に期待してくれている――そう思ったら、覚悟を決めて頑張るしかなかった。
「右手は高く。左手は俺の肩へ」
手の位置を指示し、距離を詰める。胸もとが軽く触れ合う位置で姿勢をキープし、背中には彼の手が添えられた。
「ひ、左手は、ここで合ってます?」
「もう少し腕側に。あとは常にこの距離感をキープする。いくぞ、踏ん張れ」
そう端的に指示すると、彼はリズムにのせて細かく足を動かし始めた。速めの三拍子だ。
ステップが慌ただしい。社交ダンスってこんなに忙しなく動くものなの?
その様子は一見優雅に見える白鳥が、水面下で懸命に足を動かしている姿を連想させる。
「ワルツ、知ってるだろ? 1、2、3」
「そ、そんなこと言われても、足が……!」
「3で足を揃えることを意識しろ。1、2で俺が振り回すから、ただ転ばないようバランスを取れ」
私の上半身を抱き寄せて位置を固定させると、彼が一定のリズムを刻みながらくるくると体勢を変える。
「姿勢を正して、首をうんと上へ伸ばせ。ふてぶてしく堂々としてろ」
「康惺さん、みたいに……ふてぶてしく、堂々と」
「……含みがあるな」
「右手は高く。左手は俺の肩へ」
手の位置を指示し、距離を詰める。胸もとが軽く触れ合う位置で姿勢をキープし、背中には彼の手が添えられた。
「ひ、左手は、ここで合ってます?」
「もう少し腕側に。あとは常にこの距離感をキープする。いくぞ、踏ん張れ」
そう端的に指示すると、彼はリズムにのせて細かく足を動かし始めた。速めの三拍子だ。
ステップが慌ただしい。社交ダンスってこんなに忙しなく動くものなの?
その様子は一見優雅に見える白鳥が、水面下で懸命に足を動かしている姿を連想させる。
「ワルツ、知ってるだろ? 1、2、3」
「そ、そんなこと言われても、足が……!」
「3で足を揃えることを意識しろ。1、2で俺が振り回すから、ただ転ばないようバランスを取れ」
私の上半身を抱き寄せて位置を固定させると、彼が一定のリズムを刻みながらくるくると体勢を変える。
「姿勢を正して、首をうんと上へ伸ばせ。ふてぶてしく堂々としてろ」
「康惺さん、みたいに……ふてぶてしく、堂々と」
「……含みがあるな」