ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「若くて健康な女を自分でこしらえてくるか、その娘を娶るか、好きな方を選べ。その娘が長男の嫁にならないのであれば、もちろん援助の話も白紙だ」

最後にちらりと私と父に目線を送って、ついでのように吐き捨てる。

「そ、そんな……!」

父が両手をテーブルに叩きつけて立ち上がる。しかし、ご当主は相手にせず、部屋から立ち去った。

視線が康惺さんに集まる。父の縋るような目と、惺也さんの悔しげな眼差し。

康惺さんはすとんと肩を落とし、面倒くさそうに天井を仰ぎ見る。

「随分とまあ、無茶を言ってくれたもんだ」

発言の割に余裕綽々に見えるその表情が、妙に憎たらしかった。





横暴な縁談から一カ月。結納も結婚式もないまま、私は舘華家の長男の嫁になろうとしている。

とある日の仕事帰り。送られてきた位置情報を頼りに、彼がひとり暮らししているという自宅に向かった。

「ここ……かな?」

辿り着いたのは都心の一等地にある高層マンション。この最上階、ペントハウスに住んでいるというから驚きだ。

しかも、このマンションの開発自体を彼が手掛けたという。

「とんでもないやり手なのね」

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