ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「初めまして、丹波です。……いやー、驚いた。舘華が結婚なんて」

「驚きすぎだ」

康惺さんが呆れたように息をつく。丹波さんは「悪い悪い」と謝りながらも、私を興味深そうにしげしげと眺めている。ちょっぴり居心地が悪い。

「それから、こっちが弟の惺也」

「ああ。君が真面目でかわいい弟くんか。噂には聞いているよ。どうも初めまして」

惺也さんはかわいいと言われたことに驚いたのか、軽く目を瞬いたあと、「惺也です。兄がお世話になっております」と握手を差し出した。

「で、丹波。お前はどうしてここに?」

「今、箕山会長の一部資産の運用を任されているんだ」

「へえ。出世したもんだ」

あの会長の資産運用を担当しているというのだから、相当なやり手なのだろう。銀行や証券会社などに勤務しているのだろうか。

はきはきしていて頭の回転も速そうだし、康惺さんが親しくするのもわかる気がする。

「ゆっくり話したいところではあるが――」

そう切り出して、控えめに私と惺也さんを一瞥する。

「日をあらためた方がよさそうだな。今度酒でも飲みに行こう」

私たちに気を使ったのだろう、すぐさま笑顔を作る。
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