ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「そうだな――」
そう頷きかけた康惺さんだったが。
「せっかくですから、おふたりでサロンに行かれては? 兄さんも行こうとしていたんだろう?」
惺也さんがそう切り出す。私も慌てて「どうぞ、ぜひお話されてきてください」と提案を後押しした。
ゆっくり話がしたいだろうし、サロンに行けば人脈構築に役立つ。康惺さんだけでなく、きっと丹波さんのメリットにもなるはずだ。
「あはは、逆に気を使わせちゃったな。舘華、お前さえよければそれで」
丹波さんも賛同してくれる。
「それなら、妻を部屋に送り届けてからサロンに向かうことにする。悪いが、先に行っていてくれるか?」
そう言って私の肩を抱く康惺さん。惺也さんはなだめるように笑みを投げかけた。
「涼羽さんは僕が部屋に送り届けるよ」
「だが――」
「大丈夫、頼りない弟でも送り迎え程度ならできるから」
惺也さんが苦笑する。たぶんただのジョークなんだろうけれど……わずかに棘を感じたのは私の思い過ごしだろうか。
「そういうつもりで言ったんじゃないんだが」