ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「先に戻って休んでいます。私のことは気にせず、ゆっくりしてきてください」

「ありがとう。行ってくる」

申し訳なさそうに微笑みながら、丹波さんと一緒にホールを出ていく。

そのうしろ姿を、残された私と惺也さんは見送った。

「すみません。わざわざ見送りなんてお願いしてしまって――」

惺也さんにお礼を告げようとすると、彼がこちらにとびきりの笑みを向けてくれていることに気づいてハッとする。

「本当にとてもお綺麗です。今日は一段とお美しい」

そう言って私の右手を取り、その甲にそっとキスをする。驚いてなにを言おうとしていたのか、頭から全部すっ飛んでいってしまった。

「涼羽さん。お願いがあるのですが」

「へ? は、はい、なんでしょう?」

「私と一曲、踊っていただけませんか?」

「は?」

突然のお願いに目を剥く。ダンス? なんで? さっきようやく終わってホッとしたばかりだったのに。

「だ、ダメです! 私、ダンスは詳しくなくて。さっきも康惺さんにリードしてもらってようやく――」

「ウィンナワルツを踊ってらっしゃいましたよね? 大丈夫、この曲なら同じステップでいけます」

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