ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
俺は双方に利益のある業務提携を切り出し、寄りかかる関係からの脱却を提案する。

「そう遠くない未来、父は経営の一線を退きます。そのときには我々と対等であってほしい」

俺は自分なりに調べた茂木野不動産の問題点、古い体質や時代にそぐわない業務内容を洗い出し、経営課題を整理した。

茂木野社長は難しい顔をしながらも、俺の助言を食い入るように聞いた。

「この短期間でそこまで把握し具体策を提示してくださるとは。康惺殿は我が社のコンサルよりよっぽど優れてらっしゃる」

「外にいるからこそ、客観視できるのです」

「ご謙遜を。天満殿の才覚を受け継ぐ自慢の長男と聞いております」

苦い顔で日本酒を飲み干す。

俺はただ、小さい頃から与えられた勉学をこなしてきただけだ。それなりに努力は必要だったが、特別なことをした覚えはない。

なのに、周りは才覚どうこうと面倒くさいことを言う。

「ですから、惺也殿が跡を継ぐ意欲を示したとき、不思議に思ったのです。なぜ康惺殿ではないのかと」

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