ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
だが、やはり十六も年下の彼女に相応しい男が自分だなんて言い切れるような傲慢さはない。自由にしてやれるものなら、その方がいいに決まっている。

……やはり抱くべきじゃなかった。

彼女の気概に看過されて、協力するなんて言ってしまったが、関わらなくて済むのならその方がいいに決まっているのだ。

このまま彼女が妊娠せず、二度と俺の前に姿を現さない可能性もある。時間が経てば彼女も冷静になり、身の振り方をあらためるかもしれない。

そうなれば一番いい。彼女のためにも、自分のためにも。



そんなことを考えてから、わずか数週間後のことだ。

『生理が来てしまいました。もう一度お願いします』

再び姿を現して、デリカシーの欠片もない注文をつけてきた彼女に、がっくりと肩を落とす。

『あんた、肝が据わってるよな』

勝手にかわいそうだと決めつけ、守ってやっているつもりになっていたが、余計なお世話だったのかもしれない。

彼女の行動を見ていると、自分がおごった人間に思えてきてバツが悪くなる。

そんなやり取りを幾度から繰り返しているうちに。

『ここに住むか?』

< 157 / 257 >

この作品をシェア

pagetop