ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
ゆったりとした気だるい口調。相変わらず悪びれず謝罪の言葉を口にする男である。

「いえ。素敵なお住まいですね」

「そうか? 駅から少し歩くだろ。迷子にならなかったか?」

最後のひと言に含みを感じた。

……この人、私のことを子ども扱いしているのかも。もしくは、ひとりじゃなにもできない箱入り娘だと思われている?

年の差を考えたら仕方のない気もするけれど。

……一応私は、あなたの妻になる女ですけど?

そんな反抗心が湧き上がる。

「問題ありません。地図くらいは読めます」

「そいつは頼もしいな」

あまりいい印象のないふてぶてしい笑みでこちらを流し見て、廊下の奥へ進んでいく彼。

「来てもらうのも悪いとは思ったんだが、外でできるような話でもないからな」

そう前置きして部屋に案内する。

ペントハウスというだけあって、とんでもなく豪華な造りだ。

長い廊下を抜けた先には、吹き抜けの巨大リビング。

ソファとローテーブル、ダイニングセット、テレビなど最小限の家具がどん、どん、どんと配置されている。ひとつひとつの家具が高級で大きくて圧を感じる。

< 16 / 257 >

この作品をシェア

pagetop