ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
一回り以上も年上の相手をときに見透かしてくる。生意気だなと思う反面、物怖じのなさに感心してしまう。

「やめてくれ。種明かしされたら商売あがったりなんだよ」

彼女は快活にあははと笑った。こっちの葛藤も知らず呑気なものだなと苦笑してハンドルに手をかける。

「まあ、跡を継ぐかどうかにかかわらず、舘華家の嫁ってだけでああいう場に呼ばれたりもするからな。あんたが物怖じしないでくれて助かった」

「いい勉強になりました。それに、客室は本当に最高でしたよね。なんのしがらみもなく、ただのリゾートであれに泊まりたいなあ」

大きく息をつく彼女。そういえば、これまで彼女と出かけたことがなかった。旅行もデートもなにひとつない。

偽装結婚のつもりだったのだから当然だが、今となっては少しだけ申し訳なく感じる。

「……行くか」

ぽつりと呟くと、彼女は不意打ちをくらったかのように「へ?」と漏らした。

「年末年始は休めるんだろ? 予定は?」

「予定はとくに。実家に顔を出そうかなあと思っていたくらいですが」

「親父殿には申し訳ないが、娘さんを借りるとするか」

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