ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
状況を呑み込めない彼女が狼狽えながらこちらを見つめている。

さて、どんな口実をつけたものか。

素直に新婚旅行に行こうと口にするのもな……と首を傾げ、適当に理由を見繕う。

「うちの実家は、年末年始に親族を集めて面倒な祝賀会をやる。毎年毎年、本当に面倒で、行けない理由を見繕うのに苦労していた」

「つまり、毎年理由をつけてボイコットしているんですね」

「今年は新婚旅行にかこつければ、堂々と行かなくて済む」

ちらりと彼女の様子をうかがえば、ぱちりと目を瞬かせていた。

「あんたも新婚旅行くらい行っておきたいだろ。まあ、相手は俺で我慢してもらうしかないが。そのかわり贅沢させてやる」

一方的に宣言すると、彼女は「なに言ってるんですか」とむくれた声をあげた。真横から視線が突き刺さっているのを感じる。

「行きたいですよ、新婚旅行。康惺さんと。……仮にも夫婦なんですから」

助手席に目をやると、頬を赤くしてうつむく彼女がいた。

言い訳のように付け足された『仮にも』に思わず笑みが漏れる。

「それは光栄だな」

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