ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
うちの親父もこれくらい丸くなってくれたらな、と切実に思う。
「どうだ、元気そうだったか?」
「ええ。ご壮健でいらっしゃいましたよ」
「そうかそうか。私も顔を見に行きたかったんだが、孫の発表会があってな。かわいかったぞ。チューリップの妖精の役だった」
そう言ってスマホをたどたどしく使いながら写真を見せてくれる。そこには赤い衣装を着た愛らしい四歳くらいの女の子が写っていた。
「なるほど、かわいらしい」
素直な感想に「だろう?」と得意げになる山崎さん。
ふと思い出したように周囲を見回し、わずかに眉をひそめる。
「かわいらしいといえば、秘書の方はどうしたんだ? 蛯原さんと言ったかな?」
山崎さんは蛯原を気に入っていた。
彼女は自己主張が強すぎる面もあったが、権力者に取り入るのがうまかった。
それもあって多少は難があれ、目を瞑って秘書として近くに置いていたのだが、先日のアレは看過できなかった。
義父でもある茂木野社長の前で失礼な振る舞い――俺への性的アピールをして、あまつさえ涼羽に暴力を振るおうとした。
「お気にかけていただき恐縮ですが、蛯原は異動になりました」
「どうだ、元気そうだったか?」
「ええ。ご壮健でいらっしゃいましたよ」
「そうかそうか。私も顔を見に行きたかったんだが、孫の発表会があってな。かわいかったぞ。チューリップの妖精の役だった」
そう言ってスマホをたどたどしく使いながら写真を見せてくれる。そこには赤い衣装を着た愛らしい四歳くらいの女の子が写っていた。
「なるほど、かわいらしい」
素直な感想に「だろう?」と得意げになる山崎さん。
ふと思い出したように周囲を見回し、わずかに眉をひそめる。
「かわいらしいといえば、秘書の方はどうしたんだ? 蛯原さんと言ったかな?」
山崎さんは蛯原を気に入っていた。
彼女は自己主張が強すぎる面もあったが、権力者に取り入るのがうまかった。
それもあって多少は難があれ、目を瞑って秘書として近くに置いていたのだが、先日のアレは看過できなかった。
義父でもある茂木野社長の前で失礼な振る舞い――俺への性的アピールをして、あまつさえ涼羽に暴力を振るおうとした。
「お気にかけていただき恐縮ですが、蛯原は異動になりました」