ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
サイドテーブルにあるパイナップルが刺さったトロピカルジュースをひと飲みした。

「康惺さんとじゃなかったら、こんなにのんびりできないと思います」

「夫が怠け者でよかったな」

相変わらずふてぶてしいんだか、自虐なんだかよくわからない。私は「でも」と言って彼と同じようにごろんと寝転んだ。

「普段、頑張ってるから、こういうときくらい怠けようって思えるんですよね」

隣からプッと吹き出すような笑い声が聞こえてきた。

「俺に『頑張ってる』なんて形容をしたのは、あんたが初めてだ」

ふと隣を見ると、彼がサングラスを取って、こちらにニッと不敵な笑みを投げかけていた。

「これがオトナの休日の楽しみ方なんだよ。休息も仕事だからな」

「オトナって悪くないですね。就職前の私だったら、理解できない崇高さです」

それだけ言うと会話が途切れ、波の音と風の音だけになる。

その静けさが気持ちいい。

……と、私は思っているのだけれど、彼も同じようにリラックスしてくれているだろうか。

以前は完全に子ども扱いだったけれど、最近はそういう感じもなくなった。

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