ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
その言葉は謝罪ではなくて宣言だ。間接照明の光を反射して、彼の目がぎらりと獰猛に光る。

「すぐに謝るの、康惺さんの悪い癖ですってば」

謝るつもりなんて、これっぽっちもないくせに。

予想通り、彼はひとつ笑みをこぼして肯定したあと、再び鋭い眼差しで私を縫い留めキスを落とした。




翌日は朝からスパをたっぷりと堪能した。夕方からはサンセットクルーズに出かける予定である。

クルーズまでの時間、あえて予定をなにも入れなかったのは、無為な時間を楽しみたかったから。

しばらくプールでのんびりしていたが、ふと思い立ってトランクの中を漁った。

取り出したのは、一冊の参考書。

「まさかこんなところまで勉強道具を持ってくるとはな。やっぱりあんた、ひとりでリゾートはやめておけ。なにもしないことができない質の人間だ」

呆れる康惺さんを尻目に、ウッドデッキのテーブルに参考書を広げ、左上にトロピカルカクテル、右上にはカナッペを置く。

「海の上で勉強したら、捗るかなあなんて思って」

予想通り、青い海と降り注ぐ太陽に元気をもらい、妙に意欲が湧いている。

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