ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
なんて抜け目ない人だろう。これが重ねた歳の分だけ満足させてくれるってこと?
使うのがちょっと怖くなってきた。
「大事に使います……」
自身に言い聞かせるように呟いて、さっきよりも丁寧にペン先を紙に滑らせた。
その日の帰り道、日中から天気が悪いなあとは思っていたが、いよいよ雨が降り出した。この先、気温がさらに下がって雪に変わるかもしれない。
バッグの中に折り畳み傘がないと気づき、足を速める。ひどくなる前に帰らなければ。
駅を出て、奥まった通りを急ぎ足で歩いていると、すぐ脇を一台の車が通り過ぎ、少し先で停車した。
雨粒と街灯の灯りを受けて、丸みを帯びたシャンパンベージュの車体がつやっと光る。高級感があってお洒落な車だ。
通り過ぎようとすると、運転席の窓が開いた。
「涼羽さん」
聞き覚えのある声。驚いて視線を向けると、運転席にいたのは惺也さんだ。
「乗ってください。送ります」
そう言って助手席を視線で差し示す。
マンションはここから目と鼻の先だ。わざわざ送ってもらうのは申し訳ない、そう説明しようとしたところで、雨脚が強くなってきた。
「早く乗らないと、濡れちゃいますよ」
使うのがちょっと怖くなってきた。
「大事に使います……」
自身に言い聞かせるように呟いて、さっきよりも丁寧にペン先を紙に滑らせた。
その日の帰り道、日中から天気が悪いなあとは思っていたが、いよいよ雨が降り出した。この先、気温がさらに下がって雪に変わるかもしれない。
バッグの中に折り畳み傘がないと気づき、足を速める。ひどくなる前に帰らなければ。
駅を出て、奥まった通りを急ぎ足で歩いていると、すぐ脇を一台の車が通り過ぎ、少し先で停車した。
雨粒と街灯の灯りを受けて、丸みを帯びたシャンパンベージュの車体がつやっと光る。高級感があってお洒落な車だ。
通り過ぎようとすると、運転席の窓が開いた。
「涼羽さん」
聞き覚えのある声。驚いて視線を向けると、運転席にいたのは惺也さんだ。
「乗ってください。送ります」
そう言って助手席を視線で差し示す。
マンションはここから目と鼻の先だ。わざわざ送ってもらうのは申し訳ない、そう説明しようとしたところで、雨脚が強くなってきた。
「早く乗らないと、濡れちゃいますよ」