ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
『自由』とは? 『達者でな』とは?

これから私たちは、一緒に暮らすのではないの?

呆然とする私を見て、彼は思いついたように「ああ」と腕を組む。

「生活費のことなら、クレジットカードを送るから好きに使ってくれ。普通に生活するのに困らない程度には入れておくから」

「そうでは、なくて……」

どこか噛み合わない会話に、私は腰を浮かせて身を乗り出す。

「私は、あなたと結婚するんですよね?」

核心を尋ねると、彼は椅子から立ち上がりながら面倒くさそうに説明した。

「形だけの結婚だ。名義を借りるだけ。あんたは自由にしてくれていい」

頭の中が真っ白になる。

つまり彼は最初から私と結婚する気がなかった――正しくは、偽装結婚しようとしていた、ということ?

彼がふと難しい顔をして顎に手を添える。

「……とはいえ、さすがに実家に帰ってもらうわけにはいかないか。なあ、あんた。どこに住みたい? マンションでも一軒家でも、好きなものを買ってやるから」

「ま、待ってください!」

脳の処理が展開に追いつかない。

私はこの男の跡取りを産むために嫁がされたのだ。

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