ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
俺の鼻を明かしてやりたい、そう考えて涼羽に危害を加えるような卑怯な人間なら、跡継ぎどうこうは関係なしに即座に見限っていたところだ。

彼女がローテーブルの上にあったコーヒーと茶請けを片付け始める。

ふと惺也が座っていたソファに目をやると、お菓子の包みのような小さなビニールが落ちていることに気づいた。

『ん?』

『どうかしましたか?』

『ゴミが落ちて――』

ソファの座面と背もたれの隙間に挟まっているそれを持ち上げて、動きが止まる。

お菓子などではない。それは避妊具の包みだった。

封は破かれていて、中身は見当たらない。まるで使用済みだと主張するような痕跡。

ここで、惺也と涼羽が……?

『康惺さん?』

『……いや。なんでもない』

包みをくしゃりと丸めて、涼羽の目につかないよう蓋つきのゴミ箱に入れる。

なぜそんなものがここに落ちていたのか――その意味に大きく息をついた。



◇◇◇



康惺さんは会食に出席したものの、料理にはあまり手を付けないまま帰ってきてしまったらしい。私もお腹が減っていたので、簡単な鍋焼きうどんを二人前作る。

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