ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
慌てて私は「それは違います」と腰を浮かせた。
「結婚を命じられたときは、確かに不条理を感じました。ですが今は幸せです。康惺さんとの結婚に不満は――」
「兄は家に帰らず、別宅で女性と暮らしています」
ぴしゃりと言い放たれたそのひと言に、私も父も凍りついた。
「僕の目からは、とても涼羽さんが大切にされているとは思えません」
父の顔色がみるみる青白くなる。
「違うの、お父さん……」
震えた声で否定するも、惺也さんの言葉ほどの確信と説得力がない。
父は惺也さんに向き直り「用件を伺いましょう」と話を促した。
「お父さん……!」
「まずは惺也殿の考えを伺いたい。援助のみならず、提携を申し出てくれた康惺殿には恩を感じている。だがその陰で涼羽がつらい思いをしているというのなら話は別だ」
「ご理解いただき感謝します」
惺也さんは涼やかに視線で応じると、手もとのバッグを開き、資料を取り出した。見栄えよく纏められたプレゼン資料のようだが――。
「これは……」
「僕が進めていた都市開発に関する資料です。大型複合施設の開発を計画しています」
「結婚を命じられたときは、確かに不条理を感じました。ですが今は幸せです。康惺さんとの結婚に不満は――」
「兄は家に帰らず、別宅で女性と暮らしています」
ぴしゃりと言い放たれたそのひと言に、私も父も凍りついた。
「僕の目からは、とても涼羽さんが大切にされているとは思えません」
父の顔色がみるみる青白くなる。
「違うの、お父さん……」
震えた声で否定するも、惺也さんの言葉ほどの確信と説得力がない。
父は惺也さんに向き直り「用件を伺いましょう」と話を促した。
「お父さん……!」
「まずは惺也殿の考えを伺いたい。援助のみならず、提携を申し出てくれた康惺殿には恩を感じている。だがその陰で涼羽がつらい思いをしているというのなら話は別だ」
「ご理解いただき感謝します」
惺也さんは涼やかに視線で応じると、手もとのバッグを開き、資料を取り出した。見栄えよく纏められたプレゼン資料のようだが――。
「これは……」
「僕が進めていた都市開発に関する資料です。大型複合施設の開発を計画しています」