ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「舘華興産で進められていたプロジェクトを別の会社に回そうというのですか? それは利益の横取りと受け取られかねない。機密情報の不正使用、背信行為諸々で舘華興産から訴えられますよ?」
「ですので、この計画は茂木野不動産が主導してください。そうすれば持ち出したことにならない。僕があなた方を資金面、実務面で支援して必要なノウハウを提供しましょう。白嶺が地権者との仲介や調整を務めてくれますので」
これだけ規模の大きな開発を主導しろとは、あまりにも唐突だ。経営に詳しくない私でさえ、軽々しく引き受けていい話ではないと察しがついて、警戒心がよぎった。
「つまり、惺也殿は白嶺に寝返ったのですね。私たちに白嶺の傘下に入れと」
父が低く押し殺した声で言う。
反対に惺也さんは、家業を裏切るなんて怖ろしい計画に手を染めているにもかかわらず平然としている。
「僕は単純に、沈みゆく泥船から逃れたいだけです」
「どういうことです?」
「兄は近いうちに、専務の座を退くことになるでしょう」
「は……?」「え?」
私と父の声が重なる。
惺也さんは恐ろしいほど健やかな笑みを浮かべて断言した。
「ですので、この計画は茂木野不動産が主導してください。そうすれば持ち出したことにならない。僕があなた方を資金面、実務面で支援して必要なノウハウを提供しましょう。白嶺が地権者との仲介や調整を務めてくれますので」
これだけ規模の大きな開発を主導しろとは、あまりにも唐突だ。経営に詳しくない私でさえ、軽々しく引き受けていい話ではないと察しがついて、警戒心がよぎった。
「つまり、惺也殿は白嶺に寝返ったのですね。私たちに白嶺の傘下に入れと」
父が低く押し殺した声で言う。
反対に惺也さんは、家業を裏切るなんて怖ろしい計画に手を染めているにもかかわらず平然としている。
「僕は単純に、沈みゆく泥船から逃れたいだけです」
「どういうことです?」
「兄は近いうちに、専務の座を退くことになるでしょう」
「は……?」「え?」
私と父の声が重なる。
惺也さんは恐ろしいほど健やかな笑みを浮かべて断言した。