ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「康惺さんはどちらかというと清濁併せ呑むタイプですので、清廉潔白とは言いがたいですが。それでも、あからさまな不正に手を染めてまでなにかをしようとするとは思えません」

たとえ目的のためにグレーゾーンに足を踏み入れることになったとしても、彼ならリスクを回避できる選択肢を確保しておくだろう。何事もうまく切り抜けられる器用さと狡猾さを持つ人だ。

そんな彼をずるいと罵る人もいるかもしれないが、私はその聡明さを尊敬している。

「それに、なんの理由もなく私利私欲でうしろ暗いことをするような方ではありません。もしも、なんらかの不正に仕方なく手を染めているのだとしたら、妻である私も一緒に責任を取ります」

私だけ逃げる、そんな選択肢はもう存在しない。一蓮托生、私たちは心から望んで夫婦になったのだ。

『その夢が叶うときには、俺の傍にいろ』――たとえ夢が叶わなかったとしても、私はずっと彼の傍にいる。

「どんな結果になろうとも、私は康惺さんの妻で居続けるつもりです」

揺らぎのない宣言を、父は冷静に、惺也さんは信じられないという顔で見つめていた。

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