ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「うちの弟が世話になっていると聞きまして。……お取り込み中でしたかな?」
おどけるように肩を竦める彼。
「いえ。たった今、結論が出たところです」
父の健やかな表情を見て、康惺さんは上げた肩を落とし「私の出る幕ではありませんでしたね」と気の抜けた顔をした。
惺也さんに視線を移し、困ったように笑う。
「わかりやすい顔しているじゃないか、惺也」
惺也さんは歯がみして、忌々しいといった顔で実の兄を睨みつける。
「野口さんが口を割ったのか。あっさりと寝返るなんて、いい性格をしている」
「それは違う。そもそも野口は俺の優秀な部下だ。惺也についているよう頼んだんだよ」
「監視か!」
「教育だ」
康惺さんはソファを回り込み、私の正面、父と惺也さんの間にどっかりと腰を据える。
腕を組むと、惺也さんに鋭い視線を向けた。
「お前、山崎さんを巻き込んだな?」
惺也さんがぐっと喉を鳴らす。
山崎さんとは、さっき不正な入金の件で話題にあがった資産家だろうか。
「山崎さんから俺と親父宛てにクレームが入った。事業用の合同会社への送金が不正資金だとあらぬ疑惑をかけられていると」
おどけるように肩を竦める彼。
「いえ。たった今、結論が出たところです」
父の健やかな表情を見て、康惺さんは上げた肩を落とし「私の出る幕ではありませんでしたね」と気の抜けた顔をした。
惺也さんに視線を移し、困ったように笑う。
「わかりやすい顔しているじゃないか、惺也」
惺也さんは歯がみして、忌々しいといった顔で実の兄を睨みつける。
「野口さんが口を割ったのか。あっさりと寝返るなんて、いい性格をしている」
「それは違う。そもそも野口は俺の優秀な部下だ。惺也についているよう頼んだんだよ」
「監視か!」
「教育だ」
康惺さんはソファを回り込み、私の正面、父と惺也さんの間にどっかりと腰を据える。
腕を組むと、惺也さんに鋭い視線を向けた。
「お前、山崎さんを巻き込んだな?」
惺也さんがぐっと喉を鳴らす。
山崎さんとは、さっき不正な入金の件で話題にあがった資産家だろうか。
「山崎さんから俺と親父宛てにクレームが入った。事業用の合同会社への送金が不正資金だとあらぬ疑惑をかけられていると」