ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
惺也さんが悔しそうな顔で「くそっ!」と毒づく。
「どこもかしこも、情報が駄々洩れかよ……!」
「詰めが甘すぎるんだよ、お前は」
呆れた声の康惺さん。いっそう低い声で彼が続ける。
「だいたいあれは不正な資金なんかじゃない。正式な出資金だよ。物流に関する支援事業の新規案件で山崎さんに依頼したものだ」
「新規案件……? そんなの聞いたこともない」
「当然だ。専務の俺がどうして格下のお前にお伺いを立てる必要がある」
明らかな棘を含んだ言葉。立場をわからせるかのような物言いに、惺也さんがわずかに身じろぐ。
「山崎さんはただ金のあるじいさんじゃない。今も昔も幅広い人脈でうちの経営を支えてくれている、いわば影の相談役だ。あの人を敵に回して済むと思うな、惺也。お前は一番手を出しちゃいけない人にちょっかいをかけた」
惺也さんの表情から血の気が失せる。
そんな彼を横目に、康惺さんはテーブルの上に置かれている資料に目線を落とした。
都市開発に関するプレゼン資料――これだけでも社外に持ち出したとなれば、機密情報の流出で責任を問われかねない。
「どこもかしこも、情報が駄々洩れかよ……!」
「詰めが甘すぎるんだよ、お前は」
呆れた声の康惺さん。いっそう低い声で彼が続ける。
「だいたいあれは不正な資金なんかじゃない。正式な出資金だよ。物流に関する支援事業の新規案件で山崎さんに依頼したものだ」
「新規案件……? そんなの聞いたこともない」
「当然だ。専務の俺がどうして格下のお前にお伺いを立てる必要がある」
明らかな棘を含んだ言葉。立場をわからせるかのような物言いに、惺也さんがわずかに身じろぐ。
「山崎さんはただ金のあるじいさんじゃない。今も昔も幅広い人脈でうちの経営を支えてくれている、いわば影の相談役だ。あの人を敵に回して済むと思うな、惺也。お前は一番手を出しちゃいけない人にちょっかいをかけた」
惺也さんの表情から血の気が失せる。
そんな彼を横目に、康惺さんはテーブルの上に置かれている資料に目線を落とした。
都市開発に関するプレゼン資料――これだけでも社外に持ち出したとなれば、機密情報の流出で責任を問われかねない。