ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
気まずそうに目を逸らし続ける惺也さんを尻目に、康惺さんはとくに気にしない様子でぺらりと束をめくる。その下にある白嶺との契約書の草案を見て笑みを深めた。

「白嶺と内々の協定か。へえ。お前がそこまでやるとは思わなかった」

手に取り膝の上にのせて、ページをめくる。かなりの速度で読み進めていき、途中のページで手を止めた。

「この収益性と契約条件、確認したのはお前か……?」

突如眼差しを鋭くする康惺さん。

「このスキームで投じた資金を回収できると、本気で思っているのか」

叱りつけるような険しい声に、惺也さんがびくりと身を竦める。

よほどの悪条件だったのだろうか。あきらめたように契約書をテーブルの上に放る。

「いいようにカモにされているぞ。協定の発想はいいが、契約書は細部まで確認を怠るな。今回に関しては相手が悪かった。あそこは一筋縄じゃいかない」

珍しく深刻な顔で腕を組む康惺さん。

いたたまれなかったのか、フォローするように父が口を開いた。

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