ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「お前の勝手な反抗心に涼羽と会社を巻き込むな!」

力強い叱責が社長室に響く。私はきゅっと唇を引き結び、ふたりのやり取りを見守った。

「お前がどれだけ仕事でミスをしようが、尻ぬぐいをしてやるつもりでいた。才能なんかどうだっていい、努力するお前を買っていた」

だが、と言って康惺さんが立ち上がる。惺也さんの胸倉を掴み上げ、顔を寄せて低く告げた。

「涼羽を巻き込んだことは許さない」

……康惺さん。

その怒りが私のためのものだと知って、胸が苦しくなる。

見かねた父が、まあまあ、とたしなめながら間に入ろうとした。

その瞬間、惺也さんがこちらに向き直り、怒りをあらわにした。

「どうしてだ! なんであなたまで兄になびく!」

私はびくりとして一歩下がる。こちらに迫る惺也さんを、康惺さんが身を挺して止めた。

「十六も年上だぞ! こんないい加減な男のなにがいい!」

その言い分に、今度は私の方がカチンとくる。

「康惺さんはいい加減なんかじゃありません!」

大きな声で反論すると、惺也さんはもちろん、康惺さんまで驚いた顔で動きを止めた。

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