ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「康惺さんはいつだって自分のやるべきことをきちんとこなしています。見えないところで、努力をされてきた方です」

仕事への向き合い方、パーティーでの人との接し方、あらゆる康惺さんの振る舞いを見て、彼はいい加減な人なんかじゃないと確信した。

それを、どうして一番近くにいたはずの惺也さんが気づけなかったのだろう。なんだか歯がゆい。

「いい加減な振りをしているのは、康惺さんなりの照れ隠しです」

「は……?」

惺也さんが間抜けな声を出す。その一方で、康惺さんが額を押さえた。

「素直じゃないんです、この人! 本当はものすごく気を配っているのに、それを他人に悟らせたくないんです。私と暮らしてからは煙草を控えてて、夜中にルーフバルコニーの端っこで震えながら吸っているし、バカンスに行きたそうな顔をしただけですぐ手配するし、面倒くさいなんて言いながらも私の試験勉強に付き合ってくれるし」

「試験……勉強?」

惺也さんが眉間に皺を寄せる。

「私が自分で間違えに気づくまで辛抱強く見守っていてくれる、決して見捨てない、そんな人なんです」

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