ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「下にタクシーを待たせてある。コンシェルジュに案内してもらってくれ」
「そんな、結構ですし」
「支払いは済んでるから気にするな」
「そういう話じゃなくてですねえ」
ぽいっと玄関からつまみ出され、「気をつけて帰れよー」という薄っぺらい別れの言葉をかけられた。
「ちょっと……康惺さん! 康惺さん!?」
追いすがろうとするも、無情にも玄関のドアが閉まる。その声は届いているのかいないのか。
「なんなのよ、もう!」
やるせなく怒りを吐き出す。彼への苛立ちだけが胸に残った。