ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「捕まるようなこと、するわけないだろ。俺が会社のために身を切るような献身的な男に見えるか?」

それは確かに。でもそれって褒められたことなの?と首を傾げる。

「だいたい、今は涼羽がいる。悲しませるってわかっていて、そんなことするはずがないだろ」

パチッと大きく目を瞬かせる。彼の行動の指針に私の存在があるのは、ちょっぴり嬉しい。

「はい」

笑みを堪えながら鍋の蓋をしめる。

康惺さんはカウンターに肘をついたまま、大きく息を吐き出した。

「俺だって信じてたっていうのに」

「なんのことです?」

ひとりごとのように呟かれた愚痴を拾い上げると、彼はやや躊躇いを見せたあと観念して口を開いた。

「惺也が来た日、ソファに避妊具の包みが落ちていた。使用済みのやつ」

「は? え? は?」

意味がわからない。だがとんでもないワードが飛び出したのはわかる。

「どういう意味です?」

「惺也のいたずらだ。あんたと不倫していると思わせたかったんだろう」

サーッと血の気が引く。

< 234 / 257 >

この作品をシェア

pagetop