ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
一般的には定年を迎えている年齢でもあるため、第一線から身を引くよう促したのだ。

「あれは山崎さんの希望だ。まあ俺としても、親父の横暴さは時代にそぐわないと感じていたから渡りに船だった」

涼羽の父親への物言いを見てもわかる通り、権力に胡坐をかき、取引先や部下たちに横暴な注文をしていた。

惺也への仕打ちに対しても、看過できないものがあったから、今回の処分はその責任を負う意味でも妥当だと俺は感じている。

「役員たちは全部兄さんの手の上で転がされたってわけだ」

「あのなあ。こんなことになったのは誰のせいだと思ってんだ?」

「いくらでも尻拭いをしてくれるんでしょう?」

今さら頼られたところで嬉しくはないんだが。

あの件を機に惺也が自暴自棄にならなくてよかったと少し安心している。再出発する意欲があるなら、心配ないだろう。

「でも、兄さんはもう少し僕に文句を言った方がいい。奥さんを寝取られそうになって、悔しくなかったの?」

「てめっ……! あんなふざけた置き土産しやがって!」

全然冗談にならない物言いに、さすがに苛立ちが込み上げる。

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