ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
父には第二秘書の額田(ぬかだ)さんという男性がついている。十三時になったら交代だ。

森川さんにはインターンの頃からなにかとお世話になっている。私が社長の娘だと知っても忖度せず、きちんと仕事を教え、一方で休憩時間にはくだけた会話で緊張を和らげてくれる。

父が信頼しているだけあって良識のある人だ。……毒舌家でもあるけれど。

「一度、テレビで舘華康惺の顔を拝んだことがあるの。かわいかったわぁ」

「かわいい……ですか」

森川さんから見れば、康惺さんはかわいく見えるらしい。まあ、彼女にしてみたら年下の男性だものね。

私から見たら、底知れない腹の立つオッサンなのだけれど。

……っていうか、あの人、テレビにまで出演していたの?

業界注目のやり手、その噂は本当らしい。

「涼羽ちゃん、自分の幸運を自覚した方がいいわよ? 彼、この世の男の中の最上級よ? ハイエンドよ?」

そのハイエンドの男から偽装結婚を提案されたとはさすがに言えず、あはははと乾いた笑みを浮かべる

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