ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「俺が妊娠させれば、あんたは自由になれるのか?」
心の奥底を見透かすような目にぞっと背筋が冷える。
……そりゃあ、迷いがないと言えば嘘になる。円満に解決する方法があるなら教えてほしい。
でも、神頼みしたところで現状は変わらない。今自分にできることを最大限こなす、そう考えたときにこれしか思いつかない。
「少なくとも、なにも成せなかった悔しさを抱える必要はなくなります」
照明の灯りを受けて、彼の目が怪しく光る。挑発したのは私なのに、気を抜いたら震えてしまいそうだ。
「本当にいいんだな?」
「覚悟の上です」
「泣いても、引き下がってやらないぞ?」
彼がネクタイの結び目に指先を突っ込んで引き解く。
音を上げるなら今だ、そう伝えたいのか、あえてゆっくりと自身のシャツのボタンを外していく。
開いたシャツの隙間から彼の素肌が見えて、鼓動が速くなってくる。
「できるものならどうぞ。啼かせてみてください」
じりじりと追い詰められ、気づけば背中がソファの座面についていた。
むせかえるような色気を放つ彼にのしかかられ、私は睨みつけることしかできない。
「言ったな」