ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
将来的に自力で経営できなければ、いずれ会社は立ち行かなくなる。私は息を呑んでこくりと頷く。

「後日、提携の締結に先立って視察に来るそうだ。現場の業務体制や運用を確認したいらしい。涼羽も秘書としてよろしく頼む」

「それは、もちろん」

『秘書として』と言われて力強く頷く。それにしても――。

……ろくに顔を合わせてもいないのに会社で会うことになるなんて。

口裏を合わせておかないと厄介なことになりそうだ。



父を実家まで送り届けたあと、私も速水さんのご厚意に甘えて自宅マンションまで送ってもらった。

康惺さんに連絡し、その日の二十二時、ペントハウスに向かう。

今回はアポがスムーズに取れた。彼の個人スマホの連絡先を聞いておいてよかった。

康惺さんは仕事から帰ってきて間もないのだろう、ラフに着崩したシャツとスラックス姿で私を迎え入れてくれる。

「それで、今度はなんだ。妊娠の報告か?」

口もとには不敵な笑み。どんな返答が来ても、きっとこの人は余裕を崩さない。

「生理が来てしまいました。もう一度お願いします」

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