ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
そう言ってピーマンとたまねぎを口に運ぶ彼。

「そうは言っても、この時間から野菜を切る気にはなりませんよね」

「だよなあ」

ふたりしてしみじみと頷く。私もよく切った野菜を冷凍保存しておくが、にんじんがふにゃふにゃになったり、たまねぎが水っぽくなったりして苦戦する。

「康惺さんとこんな庶民的な会話ができるとは思っていませんでした」

そう感想を漏らし、今度はチーズケーキをひと口。想像以上に濃厚で「これ、すごくおいしいですっ」と目を大きく見開く。

「いいところのチーズケーキらしいぞ」

「情報が雑ですね……。こういうの、自分で買ってくるんですか?」

「ハウスキーパーに頼む。たまに注文外の変わり種を冷蔵庫に入れておいてくれるんだ。今回はそれだった」

なるほど、とチーズケーキを口に運びつつ、部屋を見回す。

清掃の行き届いたこの広い家をどうやって管理しているのか疑問だったが、ハウスキーパーにお願いしているようだ。

彼の謎がひとつ解けたところで、ふと父と車内で話した内容を思い出し「そういえば」と切り出す。

「父に業務提携を提案してくれたそうですね。ありがとうございました」

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