ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
グラスを口もとに運びながら、ぼんやりと夜景を眺める。私の部屋とほぼ同じ景色。違いはルーフバルコニーがあるくらいだ。

こんな広い家でひとり暮らしなんて寂しくないのだろうか。私はあの部屋に引っ越してきて、すでに寂しいと感じているのだが。

それとも本当に恋人やセフレがいる? 部屋を見る限り、女性の影はなさそうだけれど。

彼の私生活が謎でならない。

……ナポリタン、好きなのね。

父に『康惺殿が好きな食べ物は?』と聞かれたら、パスタとチーズケーキと答えておこう。組み合わせに首を傾げるかもしれないが。

どうでもよかったはずの彼の趣味嗜好が、ほんの少しだけ気になり始めていた。



「おいで」

そう誘われ、大きなキングサイズのベッドで彼の上に跨った。今日は私のたっての希望で二階の寝室でことに及んでいる。

シャワーを浴びてすぐだからか、彼の体からソープの香りと熱気が立ち昇ってくる。一緒にフェロモンでも出ているのか、香りを嗅ぐだけでくらくらしてくる。

だがそれ以前に男性の上に乗るのは初めてで、気が動転していた。

「ええと……その、この体勢は」

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