ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
「経営状況を立て直したいとのお話だったと存じます。でしたら変えていかなくては。我々としても発展の見込めない企業への資金投入は難しい。投資に見合う成長性を見せていただきたい」

控えていた蛯原さんが回り込んできて、手もとのファイルから書類を一枚抜き出し、応接テーブルの上に置く。

「我々が現状で確約できる援助はここまでです」

受け取った父が内容を確認し、目を丸くする。充分すぎる金額が書かれていたのだろう、深々と頭を下げる。

「感謝申し上げます……!」

「これが一度の〝援助〟になるか、永続的な〝支援〟になるかは、御社の成長性を踏まえて検討したい」

経営再建の成果次第で提携を結び、支援を続けてくれるということだろう。父は「もちろんです」と頭を下げる。

「まあ、堅苦しいのはこれくらいにしましょう。今後頑張っていただくと仮定して、提携の具体的な内容についてですが――」

どうやら茂木野不動産がお眼鏡に適うのを前提に、提携の話も進めてくれるらしい。

視察の結果を踏まえて、それなりに見込みがあると判断したのかもしれない。父を含め、役員たちの顔に安堵が宿る。

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