ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
待っていられたら落ち着かないだろうと思い先に戻ろうとしたが、彼女がそう望むのならと、化粧室の前の廊下に立った。
このフロアは基本的に経営幹部しか立ち入らず、その幹部たちは社長室に集まっているので、周囲には誰もおらず静かだ。
黙って立っていると、化粧室の奥から「ねえ」と声をかけられた。
「あなたなんでしょう? 舘華専務の奥様というのは」
胸がざわっとして、唇をかみしめる。
今さら隠しても無駄だろう。それにうしろめたいわけでもない。
私は素直に「はい」と答えた。
「結婚と聞いて驚いたわ。彼、そういうタイプじゃないと思っていたのに」
「『そういうタイプ』……ですか」
「わかるでしょう? あの人はひとりの女性に縛られるような男じゃないの」
同意を求められても、なんて答えればいいのか。そもそも私は彼を語れるほど詳しくない。
どう答えても角が立つと思い、沈黙を貫く。
張り合いがないと思われたのか、彼女の声のトーンが跳ね上がる。
「どう? ハイスペックな男をひとり占めする気分は?」
メイクを済ませた彼女が化粧室から出てくる。挑発的に睨まれ、思わず目を逸らした。
このフロアは基本的に経営幹部しか立ち入らず、その幹部たちは社長室に集まっているので、周囲には誰もおらず静かだ。
黙って立っていると、化粧室の奥から「ねえ」と声をかけられた。
「あなたなんでしょう? 舘華専務の奥様というのは」
胸がざわっとして、唇をかみしめる。
今さら隠しても無駄だろう。それにうしろめたいわけでもない。
私は素直に「はい」と答えた。
「結婚と聞いて驚いたわ。彼、そういうタイプじゃないと思っていたのに」
「『そういうタイプ』……ですか」
「わかるでしょう? あの人はひとりの女性に縛られるような男じゃないの」
同意を求められても、なんて答えればいいのか。そもそも私は彼を語れるほど詳しくない。
どう答えても角が立つと思い、沈黙を貫く。
張り合いがないと思われたのか、彼女の声のトーンが跳ね上がる。
「どう? ハイスペックな男をひとり占めする気分は?」
メイクを済ませた彼女が化粧室から出てくる。挑発的に睨まれ、思わず目を逸らした。