ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
この家の当主というにはまだ若いが、ふてぶてしい態度を見る限り使用人でもなさそうだ。
惺也さんのご親族、もしかしたら――。
そんな考えを巡らせていると、私の視線を辿った惺也さんが足を止め、「ああ」と呆れた声を漏らした。
「あそこに座っているのが兄です。すでに実家を出ていて滅多にこの家に寄りつかないのですが、今日のことで呼び出されたみたいで」
「そう、でしたか……」
向こうもこちらに気づいたようで、ゆっくりと視線を寄越す。
紫煙越しに見えた表情は気だるく、それでいて瞳だけは鋭く爛々と輝いていて、背筋がぞわりとするような迫力があった。
「っ……!」
まるで射竦められたかのように体が動かなくなる。
かなりの距離があるにもかかわらず、空間丸ごと支配するような凄み。圧倒的な存在感。
怖いはずなのに、抗いがたく惹きつけられてしまう。
あの男から目を逸らしてはいけない、本能がそう告げていた。
「涼羽さん?」
惺也さんから声をかけられ、現実に引き戻される。ふと見れば、父や惺也さんはすでに母屋の玄関にいた。慌てて彼らのもとに向かう。
「……なにか気がかりでも?」
惺也さんのご親族、もしかしたら――。
そんな考えを巡らせていると、私の視線を辿った惺也さんが足を止め、「ああ」と呆れた声を漏らした。
「あそこに座っているのが兄です。すでに実家を出ていて滅多にこの家に寄りつかないのですが、今日のことで呼び出されたみたいで」
「そう、でしたか……」
向こうもこちらに気づいたようで、ゆっくりと視線を寄越す。
紫煙越しに見えた表情は気だるく、それでいて瞳だけは鋭く爛々と輝いていて、背筋がぞわりとするような迫力があった。
「っ……!」
まるで射竦められたかのように体が動かなくなる。
かなりの距離があるにもかかわらず、空間丸ごと支配するような凄み。圧倒的な存在感。
怖いはずなのに、抗いがたく惹きつけられてしまう。
あの男から目を逸らしてはいけない、本能がそう告げていた。
「涼羽さん?」
惺也さんから声をかけられ、現実に引き戻される。ふと見れば、父や惺也さんはすでに母屋の玄関にいた。慌てて彼らのもとに向かう。
「……なにか気がかりでも?」