ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
もしも彼が性格最悪で金と女にだらしがなく、まともに働かないとびきりのクズ男だったら、提案された通り偽装結婚に甘んじていたと思う。

……でも康惺さんは――。

ツッコミどころも多々あるけれど、仕事には誠実だし、私に無理になにかを強要したりしないし、たまに子ども扱いはするけれど基本的に女性として尊重してくれているし。

結局、それなりに悪くない旦那様になってしまった。

「康惺さん。私、奥さんとしてどうです?」

気まぐれに尋ねてみると、彼は驚いたようでわずかに目を丸くした。

パスタを咀嚼してごくんと呑み込み、ひと言。

「俺にはもったいないお嬢ちゃんだ」

「お嬢ちゃんって……」

もしかして『オジサン』と言われたことへの意趣返しだろうか。

やっぱり腹立たしい人だ。さっそく結婚したことを後悔した。



異変に気がついたのは、週末のことだった。

毎朝の習慣として、起きたらまず体重を測るようにしているのだが、昨日はいつもより〇・五キロ重たくて、塩分でも取りすぎたのかな?と不思議に思っていた。

二日、三日と経って、いい加減、言い訳ができなくなる。

「太った……」

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