ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
知っているつもりだったけれど、こう、ほかの居住者の方々と並ぶと嫌でも際立つ。いや、ほかの居住者が悪いと言っているんじゃなくて、彼が別格すぎるというか。

自分もなるべく彼とは並ばないでおこう、そんなことを考えながら初心者用のレーンでのんびりと泳ぎ始める。

泳ぐのは高校の授業ぶりで、とても気持ちがいい。

だがすぐに疲労感に見舞われる。五十メートルを超えたあたりで、日頃使っていない筋肉が音を上げ始めた。

私ってこんなに体力なかったっけ? 明日は筋肉痛かもしれない。

歩いたり泳いだりを繰り返し、百メートルを超えたところでプールを上がると、きっと倍くらい泳いでいるであろう康惺さんがプールサイドにいた。

「康――」

話しかけようとして足を止める。見知らぬ女性がやってきて、私より先に彼に話しかけたからだ。

「わあ、お久しぶりです~。最近全然お見かけしなかったから、お引っ越しされたのかと思っちゃいました」

甲高い声を響かせたのは、スポーツビキニのセクシー美女。私より年上で、どことなく蛯原さんに似た雰囲気の人だ。

なんだか嫌な予感がした。

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